COLUMN 記事コラム
健康情報やレシピなど、生活に役立つ情報を紹介いたします。

2023.10.02
【獣医師執筆】愛犬に「ものもらい」?他の症状の可能性は? 犬猫の目に「できもの」が出来た場合に考えられる症状
※2023年10月2日情報更新 「めっぱちょしたらわや!」……筆者が青春時代を過ごした北海道のある地方の方言で、ものもらいを触っては駄目ですよ、という意味です。人はもちろん、犬猫も「めっぱ」を触ると悪化してしまいます。今回は、ものもらいなどの「目のできもの」についてのお話です。 ※ 記事には患部の写真を含むため、抵抗がある方はご注意ください。 ■できものの診察は眼科?皮膚科? まず、どこからが眼科で扱うできものか説明します。一般的には、目の"ふち”から眼科です。"眼けん(まぶた)部”は、皮膚科で扱うことが多いです。たとえば、下記の2つの症状は、皮膚科での対応になります。 出典:北森ペット病院(犬の膿皮症) 出典:北森ペット病院(犬の組織球腫) ■目のできものはなぜできるの? 出典:北森ペット病院(犬の組織球腫) 目のできものの原因のひとつとして、マイボーム腺の位置が関係しています。上図は、犬のまぶたの拡大図です。まつげの少し奥の、ポツポツ見えるところにあるマイボーム腺は、皮脂腺(角膜に油分を出す分泌腺)として目を乾燥させない働きをしています。マイボーム腺が、炎症を起こしたり、分泌物が詰まったり、腫瘍化したりして、できものができます。 犬は良性のものが多く、猫は悪性のものが多いと報告されています(※1)。また、犬はマイボーム腺由来のできものが、一般臨床では多数を占めている印象です。 ■犬の目の「できもの」の種類 (1)ものもらい 出典:北森ペット病院(犬の症例) 麦粒腫(ばくりゅうしゅ)とも言います。マイボーム腺やツァイス腺(皮膚に脂肪を分泌する腺)などが細菌感染を起こし、化膿し腫れたものです。赤く腫れ、痛みを伴うことがあります。抗生剤やステロイド剤などの点眼薬、もしくは全身投与が必要なケースも多いです。 (2)霰粒腫(さんりゅうしゅ) 出典:北森ペット病院(犬の症例) マイボーム腺は管(くだ)を介して油分を目の表面に分泌(供給)しますが、その管がふさがり、分泌物が溜まり腫れたものが霰粒腫です。麦粒腫と見た目は変わらないこともありますが、眼けんをめくると、結膜に乳白色の皮脂の塊が確認できることがあります。麦粒腫と併せてマイボーム腺炎と言うこともあります。 (3)マイボーム腺の腫瘍 出典:北森ペット病院(犬の症例) 犬の場合、良性のマイボーム腺腫(マイボーム腺腫、マイボーム腺上皮腫など)がしばしば見られます。良性ですが、腫大すると角膜に傷がつくので、切除することを筆者はおすすめしています。マイボーム腺の悪性腫瘍は、稀な腫瘍です。 ■猫の目の「できもの」はどんなものがある? 出典:北森ペット病院(肥満細胞腫) 犬に多く見られるマイボーム腺由来のできものは、猫にはあまり見られません。たとえば、猫の場合は「肥満細胞腫」と言うできものができることがあります。この腫瘍は、皮膚や内臓(脾臓、消化管)に発生します。肥満細胞が増殖したものですが、肥満とはまったく関係がありません。犬にもできますが、時に悪性度が高く注意が必要です。前記しましたが、この肥満細胞腫を含み猫の目やその周辺に発生するできものは、犬に比べて悪性度が高いものが多いと報告されています(※2・3)。 猫において目のできものを見つけたら、直ちに病院を受診して下さいね。 わんちゃん、ねこちゃんにおすすめのアイケアサプリ『わんにゃブル』はこちら♪ ※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。 【関連記事】 ※ 目頭が赤くぽっこり…どの犬でもなるの?「チェリーアイ」を解説! ※ 気をつけたい2つのパターンとは?犬の「ドライアイ」について徹底解説 ※ 犬にも老眼はあるの?加齢が目に与える影響を獣医師が解説! ※ これって病気のサイン?犬の「目やに」の原因とケア方法 【参考】 ※1 藤井 裕介(2015)『眼疾患を知る<7>』Vet I , P41-47 ※2 Krehbiel JD, Langham RF(1975)"Eyelid neoplasms of dogs.”American journal of veterinary research ※3 Newkirk KM1, Rohrbach BW(2009)”A retrospective study of eyelid tumors from 43 cats.”Veterinary Pathology 【画像】 ※ Anastasiia Vasenina / Shutterstock
もっと見る
1~19件(全1395件)

2023.09.30
目の疲れ・老眼に効くツボ【老眼点(ろうがんてん)】

2023.09.27
猫の多頭飼いのポイントとは?準備から対応までをご紹介

2023.09.27
眼のピント調節を自動でサポートする次世代のアイウェアをご紹介

2023.09.26
湯ぶねに浸かるときに「あ"ぁ〜」と声を出すと良い!

2023.09.26
キメキメ

2023.09.26
ハルカのアドバイザー

2023.09.26
ヤマさんの実は...

2023.09.26
Say!Oh!DREAM

2023.09.26
もの知りアマノッチ

2023.09.26
ノムさんとウメちゃん

2023.09.26
魔法の手

2023.09.26
トレーニングの成果

2023.09.26
気になる修正

2023.09.26
擬音語大好き

2023.09.26
クール・フテコシ

2023.09.26
オンライン報告

2023.09.26
切羽つまると...

2023.09.26
クリちゃんの趣味
1~19件(全1395件)