メノコトコラム

教えてブルーベリー博士

2020.08.18

学習 コラム

ビルベリーが目の疲労感を抑えてくれるってホントなの?

ビルベリー

ブルーベリーを商品名に使っているサプリメントがたくさん販売されていますが、その多くのサプリメントの裏面をみると、原材料には「ビルベリーエキス」と書かれていることが多いのです。
ブルーベリーではなく、ビルベリーエキスが使われている理由は、ビルベリーを使った研究結果がいくつも発表されているから。ビルベリーエキスは、パソコンを代表とするVDT作業(パソコンなどディスプレイを持つ機器を使って作業すること)時の目の疲労感を軽減するという研究結果が確認されています。
この研究内容について、詳しい内容を確認してみましょう。

VDT作業負荷による一過性の目の疲労感をビルベリーエキスが抑制

目元をおさえる女性

VDT(ビジュアルディスプレイターミナル)とは、パソコンやポータブルゲーム、スマートフォンなどディスプレイを持つ機器のことをいいます。こういった機器を使用する作業のことを、VDT作業といいます。もともと私たちの目は、サバンナで狩りをするのに適したつくりをしています。獲物を見つけたり、敵に襲われないようにするために、遠くを見る生活をしていたので、近くを見続けることには適していません。そのため近距離でディスプレイを見る作業を長時間続けると、目に負担がかかり疲れを感じやすくなります。ビルベリーエキスの摂取とVDT作業時の目の疲労感の関連を調べた研究をいくつか紹介します。

【研究①】

VDT作業従事者かつ、眼精疲労の自覚症状をもつ28名の男女を、プラセボ摂取群(ビルベリーエキスを含まない偽薬)とビルベリーエキス摂取群にランダムに振り分け、ビルベリーエキス摂取群には1日160mgのビルベリーエキスを4週間摂取してもらい、VDT作業による眼精疲労を感じている人に与える影響について検証しました。プラセボ群も同じ期間、ビルベリーエキスを含まないプラセボ薬を飲用してもらいました。
プラセボとビルベリーエキスの摂取を始めて4週間後に、iPhoneでゲームを30分間行ってもらいました。その前後、及び20分の休息後において目の疲れの自覚症状を数値化するための「自覚的アンケート」と眼精疲労や目の調節異常を評価する「縮瞳率」などの検査を行いました。
自覚的アンケートの結果では、プラセボ摂取群に比べ、ビルベリーエキス摂取群は4週目に「最近の目の疲れ」の項目で疲れのレベルの低下がみられ、また「休息後の目の疲れ」についても、疲労からの回復を感じていました。縮瞳率は、ビルベリーエキス摂取群はプラセボ摂取群に比べ、休息の20分後に著しく回復がみられました。
この研究から、ビルベリーエキスを1日160mg、4週間摂取すると、VDT作業による目の疲労感の軽減に有効である可能性が示されました。

ちなみに、「プラセボ薬」を使って実験する理由は、ビルベリーエキスのはたらきを科学的に明らかにするためです。病気のとき、「薬を飲んだから大丈夫」と感じた経験はありませんか?有効成分が入っていない薬を飲んでも、薬を飲んだと思うだけで心理的作用が働き、効果を感じることがあります。この作用のことを「プラセボ効果」と呼びます。研究でも、プラセボ効果が起こる可能性があるので、その心理的効果を除くために、被験者には自分が飲んでいるカプセルにビルベリーエキスが含まれているか、含まれていないかを知らせることなく飲んでもらって、試験を実施します。

【研究②】

VDT作業従事者および眼精疲労の自覚症状をもつ人を中心とした21名で行った試験で、11名をビルベリーエキス摂取群、10名をプラセボ摂取群に分けて比較しました。ビルベリーエキスを1日160㎎、28日間摂取し、VDT作業後の目の疲労感にどのような影響を与えるかを検証しました。
ビルベリーエキス摂取0日目、14日目、28日目にVDT作業を60分行わせ、その前後で「眼精疲労関連のVAS(Visual Analogue Scale)評価(目が痛い、かすむなど11症状)」「調節力」などの検査を行いました。
眼精疲労関連のVAS評価の各時点のVDT作業前後の変化量は、プラセボ摂取群では変化がみられませんでしたが、ビルベリーエキス摂取群は0日目に比べて徐々に低下する傾向を示し、28日後は統計的に有意な差が出るほど低下しました。また、調節力もプラセボ摂取群では変化がみられなかったのに対し、ビルベリーエキス摂取群では28日目で調節力の改善がみられました。プラセボ摂取群やビルベリーエキス摂取前ではVDT作業後に調節力が低下していたのが、ビルベリーエキスを摂取し始めて14日目、28日目ではVDT作業による負荷をかけても、調節力がほとんど影響を受けなくなったことが示されました。
この実験結果から、ビルベリーエキスを1日160mg、4週間継続して摂取すると、VDT作業によって起こる「目が痛い」「かすむ」などといった自覚症状を感じにくくなり、さらに疲れ目に影響しているといわれる調節力の低下を抑制している可能性が示されました。

まとめ

今回紹介した研究では、ビルベリーエキス4週間(28日)以上の継続摂取がVDT作業時の眼の疲労感の軽減に有効である可能性が示されています。パソコン作業やスマホ使用などVDT作業による目の疲れや、一時的なピント調節力の低下に対して、ビルベリーが有効であることが研究されています。
 今年は特に屋内で過ごすことが多く、パソコンやスマホなどのVDT機器にふれる時間が増えているかもしれません。特に目の疲労感を感じやすい可能性がありますので、目の健康に関する正しい知識を身につけて、ひとみの健康を守りましょう。

【参考文献】
  • 小齊平麻里衣他 標準ビルベリー果実抽出物による眼疲労改善効果 「薬理と治療」2015年43巻3号
  • 瀬川潔他 ビデオディスプレイ端末光への曝露に起因する眼精疲労自覚症状に対するビルベリー果実抽出物含有食品の保護的効果 「薬理と治療」2013年41巻2号

この記事を書いた人(監修)

大江 絵美

わかさ生活みらい研究所研究員
大江 絵美

知識が豊富で探求心旺盛な理系女子。
ビルベリーが大好きでビルベリーに関して話し始めると止まらないビルベリー狂。
研究のことはもちろん時事ネタに至るまで、気になったら即行動・確認せずにはいられない!

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